大阪市と和歌山市のちょうど真ん中くらいに位置するところに住んでいた、ちいさな子供の頃
住所は大阪府でも、自分の住んでいるところはワタシにとって「おおさか」ではありませんでした。
「おおさか」は、ときどきオトナが連れて行ってくれる、たくさんお店があって「ペコちゃんサンデー」が食べられるトコロ。
つまり、高島屋から戎橋筋、心斎橋筋を通って大丸・そごうまでのルートが「おおさか」だったのです。
そのなかでも、子供心に印象の深かった大丸心斎橋店。
一階のエレベーターホールの装飾や中二階の手すり、不思議な作りの階段など、きれいで大好きでした。
今回、時間があったので見に行ってみたら、エレベーターホールの装飾は少し変わったようでしたが、階段部分は昔のままでした。
この、広くてきれいで、でも使う人があまりいない階段で
黒いピカピカした手すりを撫でながら一段一段昇ったり降りたり、階段に腰掛けたりして
よく母の買い物が済むのを待っていました。
オトナになってから、この建物がウィリアム・メレル・ヴォーリズという人の設計だと知りました。
日本で、とくに関西で、とてもたくさんの建物を設計していて
おまけにメンタームの近江兄弟社までつくってしまったスゴイ人でした。